裏のハローワーク 草下シンヤ ★★★☆
Posted at 09/04/04 03:49 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
面白いよ。ただ、著者の文才の無さがもったいない。
もっと面白く書くことが出来るはずなのに。B級雑誌のコメント程度の文章力。
そして、裏づけがあるのか無いのかわからないので、
結局、都市伝説の又聞き程度の可能性も。
最後の臓器ブローカーなんか、一本の電話があったとして、
それを書いているだけ。その電話の主の素性すら不明。
そして、話している内容にも特に新鮮味は無い。
それをひとつの職業として紹介しているところに裏づけの低さが出ている。
とはいえ、事実としての信憑性はともかく、
ひとつの読み物として面白みを感じれるならば。
目次:
マグロ漁船組合員
治験バイト
出版ブローカー
原発作業員
鍵師
新聞拡張員
新興宗教団体信者
示談屋
産廃処理業者
運び屋
総会屋
飛田で働くということ
マージャン裏プロ
裏ビデオ販売店
詐欺師
夜逃げ屋
マリファナ栽培
偽造クリエーター
ヤミ金業者
臓器ブローカー
これがニーチェだ 永井均 ★★★☆
Posted at 09/03/31 19:45 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
序盤の解説は面白い。
しかし、途中からは、著者独自のニーチェ論。
もっとも、それがこの本のよさでもあるし、そこを否定してしまっては元も子もない。
敵は私を理解しようなどとはしない。
だから、私の固有性は敵からはいつも守られている。
だが、同情者は違う。彼らはいつも自分自身の知性と感性を携えて私の内面深く入り込んできて、
私を理解という名の暴力でずたずたにしてしまう。
また、以下のような主張もする。
「弱者や出来そこないどもは徹底的に没落すべきである。これがすなわち我々の人間愛の第一命題である。徹底的に没落するように援助することはわれわれの義務でもある。」
弱者を痛めつける発想ではあるが、早めに没落させ、徹底的に排除していくことは、やさしさでもある。
結局のところニーチェは、著者の記す、
ぶどうに手の届かなかった狐が「あれは酸っぱいぶどうなのだ」と言ったとしても、
それはまだ相手を引き下げているにすぎない。だが、狐が「ぶどうを食べる生き方は正しくない」
と言ったとしたら、彼はひとつの解釈を作り出したのである。
というところの暗喩がもっとも的確にあらわしている気もするな。
価値観の否定。そこに、神は死んだ。の本質があるのかもしれない。
他人の設定したものさしの中で勝負をするのではなく、
ものさし自体を否定してみる。そこが大事なのでしょうな。
目次:
第1章 道徳批判 諸空間への序章
第2章 ニーチェの誕生と、「悲劇の誕生」のソクラテス像
第3章 第一空間 ニヒリズムとその系譜学
第4章 第2空間 力への意志とパースペクティブ主義
第5章 「反キリスト」のイエス像と、ニーチェの終焉
第6章 第三空間 永遠回帰 遊ぶ子供の聖なる肯定
自信が生まれる心理学 国司義彦 ★☆
Posted at 09/03/30 23:50 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
自信が生まれる心理学―A・マズローの「自己実現」エッセンス! 国司義彦
自己実現のための手法について、
色々書かれているが、類書に比べての言葉の重みが無い。
その分、若者が読めば、そこそこの感銘を受けるかもしれないし、
一応は、いいことが書いてある。しかし、Aマズローの言葉を引きつつ書いてある割には、
著者の価値観が多分に混入しており、
そこが、Aマズローの言葉を知りたくて買ったものをがっかりさせる。
少しでも前向きになれるのは、せめてもの救い。
もう少し、わかりやすく、書かれているエピソードも良い本もあるので、そちらをお勧め。
目次:
まえがき:マズローの「自己実現」に学ぶ人生成功の秘訣!
1章 自己の”最高の力”を引き出すために何をすべきか!
2章 頭と心を同時に鍛えなおす法!
3章 「自己実現」人間はこう生き、こう考えている!
4章 ”感性人間”ほど仕事ができ、生活も楽しめる!
5章 人生成功の実現!
金融大崩壊 水野和夫 ★★☆
Posted at 09/03/29 21:10 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書) 水野和夫
こちらも、事後的な金融危機の解説書。
これを読んだからといって、だからどうだ。
という気もするが。しかしそれはそれ。
過去の事実の解説はひとつの視点として知っておいても良いかも。
そのような視点で語られることは、多くの人の共通認識なのかもしれないから、
その点では話題の共通化が計れる。
将来予測も自分の意見を考えるのが面倒な場合に。提示。
しかし、そもそも、一言。将来のことはわからない。
で終わっても良い気もするが。
目次:
第1章:アメリカ発 世界金融危機
第2章:危機の震源、サブプライムローン問題とは何か
第3章:「アメリカ金融帝国」はなぜ生まれたのか
第4章:世界は不況からいつ脱出できるのか
第5章:「アメリカ金融帝国」終焉後の世界
第6章:日本経済の生き残る道はどこか
強欲資本主義 ウォール街の自爆 神谷秀樹 ★★☆
Posted at 09/03/29 21:07 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
起こったことの、事後的な解説はさておき。
今後の予測に関しても、なんというか、そのまま起こるのならば、世話無い。
悲観的な考察を述べることは大事なのであろうが、
複雑系の支配する事象の将来予測ほど難しいものは無い。
経済の世の中で何が起こったのか。
そこを知っておくためには読んでも良いかもしれないが、
いかんせん数字の羅列も多くて、若干わかりにくい。
まぁ、数字を見なくとも気持ちが伝わってくればいいんだけど。
目次:
序章 アメリカ経済はなぜ衰退したのか
第1章 ゴールドマン・サックスの変質
第2章 モノ作りが出来なくなったアメリカ
第3章 今日の儲けは僕のもの、明日の損は君のもの
第4章 強欲資本主義のメカニズム
第5章 資産運用ゲーム
第6章 サブプライム危機から世界同時不況へ
第7章 バブル崩壊にいかに立ち向かうか
「こころ」はだれが壊すのか 滝川一廣,佐藤幹夫 ★★★
Posted at 09/03/26 21:45 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
「こころ」はだれが壊すのか (新書y) 滝川 一廣 (著), 佐藤 幹夫 (著)
「高機能自閉症」とか「アスペルガー」とか「ADHD」とかいう診断名ではなくて、こうした子に固有な心のあり方をよく知ることが大切です。「診断名」「障害名」のなかには子どもはいません。
と、著者が語るように、近時の精神病というものは、病名の中に押し込められている。
もちろん、深刻な精神病患者については、それこそ丁寧な治療が必要であるが、
そうではない、単なるコミュニケーションのとり方の苦手な人たち。
これらについても、病名に押し込んで病気として扱われてしまう。
DSM-IVの影響かもしれないが、確かに、そのようにカテゴライズして扱うことは楽ではある。
そのため、著者が、
専門家とは「依存」の対象ではなく「活用」の対象である。
とも記すように、専門家をうまいこと活用して、
親身になって接していくことが大事なのだろうな。と思った。
精神医学は難しいよ。
著者の価値観はさておき、最近の精神医学の状況について知れることは良いと思う。
批判的な視点を持って見ることは大事ですから。
目次:
序章:「こころ」についてのいくつかのこと-フロイトの関係発達論から
第1章:「ふところ」を浅くする現代社会
第2章:「児童虐待」の語り方に異論あり
第3章:「学校・子ども」問題への治療的アプローチ
第4章:精神医療と司法
ミスティック・リバー ★★★
Posted at 09/03/26 18:45 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
頭の痛いときに見ていたら、まったく流れを理解できないまま、
淡々と名作っぽい流れの中で見終わってしまった。
軽い気持ちでは見れないので、しっかりとトレーニングをしてから見たい一作。
ザ・フォール/落下の王国 特別版 ★★☆
Posted at 09/03/26 18:42 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
やー、すごい映像がきれい。
それだけの作品かと思いきや、なかなかに引き込まれるところも多く。
ぐっと、見終わってしまう。
リトル・ダンサー ★★★★
Posted at 09/03/23 23:58 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
リトル・ダンサー 出演:ジェイミー・ベル, ジュリー・ウォルターズ 監督:スティーヴン・ダルドリー
はぁ、良いね。こういう映画は。ビリーが可愛いし。
シーンの作りこみが絶妙でとても上手い。
そして、イギリスの社会情勢的な作りこみがまた上手い。
僕は、人の感情を知ることは苦手なのだが、
ビリーへの愛をしっかりと感じることができる。
赤めだか 立川談春 ★★★★
Posted at 09/03/23 00:55 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
落語の世界はほとんど知らないのだが、その世界のシステムを知ることが出来た。
立川流が落語会で異端であり、そしてその他の流派は仲良くやっているのかしら。
そして、流派は違えど、その厳しい修行の世界には違いは無いのだろう。
そこから感じることも多いはずだし、学ぶことも多い。
築地での修行を1年間命じられて、それが出来てしまうこともすごい。
一生懸命、まじめに、真剣に打ち込んでいる姿には。
そこに描かれるドラマには感動がある。
次の瞬間、雷にでも打たれたように背筋が伸びた。
オレは、覚悟だの、けじめだの、一丁前のつもりで独り思い込んでいたが、
オレの想いはそんなものじゃなかったんだ。
子供が母親に向かって駄々をこねるようにイエモトに、愛してくれ、見つめてくれと泣きわめいて
甘ったれているに過ぎなかったんだ。
小さん師匠は、それを分かった上で、いや、わかったからこそ、わざわざオレの会に出てくれたんだ。
そして、イエモトは小さん師匠の気持ちが分かるからこそ、挨拶に行くと云ってくれたんだ。
涙が出た。
いや、なんというか、文章がうまいのもあるし。
一気に読まされてしまう。すばらしい。
目次:
第1話:「これはやめとくか」と談志は云った。
第2話:新聞配達少年の修行のカタチ
第3話:談志の初稽古、師弟の想い
第4話:青天の霹靂、築地魚河岸修行
第5話:己の嫉妬と一門の元旦
第6話:弟子の食欲とハワイの夜
第7話:高田文夫と雪夜の牛丼
第8話:生涯一度の寿限無と5万円の大勝負
特別篇その1:揺らぐ談志と弟子の罪-立川流後輩たちに告ぐ
特別篇その2:誰も知らない小さんと談志-小さん、米朝、ふたりの人間国宝
インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 ★★★
Posted at 09/03/20 00:52 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
とてつもないB級アクション映画だと思うのは、時代が古いからか。
CGでもなんでもそうだが、今見ても、色あせない、なんてことは無い。
ありきたりのストーリーにベタな展開だが、
それはこの作品から影響を受けたほかの作品を見ているからかも。
虫のゲテモノシーンなんか、とてもとても。
今の映画ではチープすぎてなかなかやりづらい。
そんなわけでありながら。
テレビドラマの焼き増し感の否めない映画なのだが、
それでも、完成度はやはり高く。
一見しておく必要はあるかな、と。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 監督:スティーブン・スピルバーグ ★★★☆
Posted at 09/03/13 22:54 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 監督:スティーブン・スピルバーグ
実在のお話だけあって、面白い。
スピルバーグ監督なだけあって、エンターテインメントな感じがまた良い。
人を愉快に騙していく姿は痛快で。
テンポよく音楽にのせて展開していくシーンは見ていて引き込まれる。
偽造がここまで上手くいくのか、とも思うけど、
一昔前のお話だからそれはそれで仕方ないのだろうな。
今の時代でこういった詐欺のお話を作ってもらえたらそれはそれで痛快なのだが。
司法のしゃべりすぎ 井上薫 ★★
Posted at 09/03/11 23:49 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
早い話が、要件事実論的な主張整理を無視して、
手っ取り早く、抗弁がたつなら、請求原因の審理は不要としている説を展開。
証明責任の構造を考えれば、非効率的ではあるが、蛇足的な審理が必要ではあるのだが、
しかし、効率重視ならば、さっさと抗弁の審理をしてもかまわないのだろうな。
そんなことを感じながら、読んでいた。
裁判官を20年間やっていたとは思えない、思考回路ではあるが、
まぁ、確かに、要件事実論的に組み立てるのは非効率といえば非効率なのかも。
そのうち、改革が必要なのかもしれないけど、
おそらく当分は無理なんだろうな。コアな部分でもあるし。
目次:
第一章 晴らすことのできない濡れ衣
第二章 判決理由とは何か?
第三章 饒舌禍の実例
第四章 蛇足の弊害
第五章 打開策はあるか
つぶせ!裁判員制度 井上薫 ★★★
Posted at 09/03/11 23:31 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
よくしゃべる元裁判官です。
裁判員制度を理解するためには、この本を読むのも良いかもしれない。
批判的に、裁判員制度をあげつらうだけではなく、しっかりと制度の説明をして、
その利点を明確にした上で、批判を展開する。
さすがは、元裁判官と思わせる記述。
やる前から、制度を否定するのは、著者が別の本で述べていた
「前例が無いから」で断る所長の話とかぶるところがあったが、
まぁ、裁判員の批判は前例が無いからではなく、
前例が失敗だったからなのかもしれない。
データを多く使っており、なかなか良いです。
目次:
序章 元裁判員のしゃべりすぎ
第一章 国民不在で決まった珍制度
第二章 裁判員制度の基礎知識
第三章 裁判担当者の条件
第四章 素人が裁判を破壊する
第五章 人権を否定する裁判員制度
第六章 まだある欠陥の数々
第七章 国民を欺く司法
第八章 裁判員に選ばれる不幸
終章 裁判員制度は実施前に廃止せよ
狂った裁判官 井上薫 ★★☆
Posted at 09/03/11 20:13 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
狂った裁判官というタイトルはいささかおおげさか。
まぁ、保身に走って成績を気にする裁判官はこんな感じなのかもしれない。
どこの世界にもおかしい人はいるし、合わない人はいる。
というか、著者のこんなスタンスで20年間も居続けられたことも
裁判所という空間の懐の広さを表している気もする。
それだけ、独立しているからこそ、居られた気もするんだよな。
日本の司法の仕組みについても分かりやすく解説しているし、
訴訟の手続きについても知ることが出来るから、
手続法に親しみを持つために読んでも良いかもしれない。
目次:
第一章 裁判官の自己保身
第二章 裁判官の脅し
第三章 裁判官のサービス業化
第四章 間違いを犯し続ける裁判官
第五章 裁判官の人権
第六章 裁判官の独立
第七章 裁判員制度の嘘